和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

【介護の家事援助について】試験範囲を介護福祉士試験対策の講師が解説

介護福祉士国家試験の試験範囲でもある「家事援助」についてここでは紹介していきます。家事にも様々なものが存在し調理や洗濯、家計の管理などが含まれる内容となります。そんな家事援助の基本や留意点について、ここでは紹介していきます

現在、カイゴミライズアカデミーではこのような知識を受講生さんとともに国家試験合格を目指して勉強中です。介護福祉試験対策は下記のページまで。

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調理について

調理の基本

調理において大切な事は、利用者の好みや状態を把握し、栄養バランスを整えることです。利用者が直接、調理を行うことが難しい場合でも、献立の作成や食材選びに参加してもらうことで調理への意欲を引き出すようにしていきます。また、介護福祉職はバランスのとれた献立を提供するために、5大栄養素の作用や5大栄養素を含む食品について理解しておく必要があります。

調理の手順

調理はまず①献立を決め→②食材を選び→③下ごしらえ→④味付け→ ⑤盛り付け→⑥後片付けを行うまでが、調理の手順に含まれます。

なお、和食(一汁三菜)の基本的な配置は、右利きの場合、

①「左奥:副菜(煮物など))

②「右奥:主菜(焼き魚などのメイン)」

③「左手前:主食(米など)」

④「右手前:汁物(味噌汁など)」

⑤「中央:副菜(和え物など)」

加熱による調理方法

調理方法には加熱を必要とする「加熱操作」と加熱を必要としない「非加熱操作」があります。それらについて解説いたします。

《加熱操作》

①湿式加熱:水を使って茹でたりたりむしたりするもの

②乾式加熱:水を使わずに焼いたりあげたり炒めたりするもの

③誘電加熱:電子レンジによる加熱

④誘導加熱:電磁調理器による加熱

調理環境を清潔に保つための方法

【布巾】

食器などを拭いた布巾には大量の細菌が付着しており、流水だけでは完全に除菌することができないため、中性洗剤や漂白剤を使用して洗い、完全に乾燥させる

【スポンジ】

食器を洗った後のスポンジに泡が残ると、細菌が繁殖しやすく、臭いやカビの原因となるため、熱湯消毒や漂白剤などで除菌した後、しっかりと絞って乾燥させる

【まな板】

魚や肉を切ったまな板を熱湯で洗い流すと、まな板に付着した食材のタンパク質が固まってしまい、汚れが落ちにくくなるため中性洗剤を使用して汚れを洗い流した後、熱湯をかけて殺菌消毒し、乾燥させる

【金属製の食器】

殺菌消毒の際は、ネットや薄めた漂白剤なので煮沸消毒する。塩素系漂白剤に長時間つけ置きすると、腐食して錆びてしまうので避ける

【包丁】

刃の部分だけでなく、刃と持ち手の境目の部分も洗浄して消毒する

食中毒の特徴・症状・予防

【ウェルシュ菌】

《特徴》

酸素のないところで増殖する。カレー、煮魚、野菜の煮付けなど煮込み料理で発生しやすい

《主症状》

下痢、腹痛、発熱、嘔吐、頭痛など

《予防法》

常温で保存すると増殖し、熱に強い芽胞という細胞を作るため、煮込み料理は、粗熱がとれた後、冷蔵または冷凍保存する

【カンピロバクター】

《特徴》

加熱不十分か、生の鶏肉などを食べることで発生がすることが多い

《主症状》

下痢、腹痛、発熱、嘔吐、頭痛など

《予防法》

生や生に近い状態の鶏肉を食べる事は避け、十分に加熱(中心部75℃以上で1分間以上)する

【サルモネラ菌】

《特徴》

卵とその加工品、鶏肉などの食肉が主な原因食品

《主症状》

下痢、腹痛、発熱、嘔吐など

《予防法》

卵や肉は十分に加熱(中心部を75ど以上で1分間以上)する。卵の生色は新鮮なもの以外は避ける

【腸炎ビブリオ】

《特徴》

生鮮魚介類、生魚に触った手指や調理器具を介した二次汚染で発生

《主症状》

下痢、腹痛、発熱、嘔吐など

《予防法》

真水や低温に弱いので、真水で十分に洗う。4℃以下ではほとんど繁殖しないので、調理直前まで冷蔵庫で保管する

【黄色ブドウ球菌】

《特徴》

食品中で増殖するとエンテロトキシンという毒素を生成し、その毒素のついた食品を摂取することで発生

《主症状》

下痢、腹痛、嘔吐など

《予防法》

手の傷口などを介するので手指の洗浄、調理器具の洗浄殺菌。手荒れや傷のある人はゴム手袋をして調理するなど食品に直接触れない

洗濯について

洗濯方法の違い

洗濯方法には次の水洗いドライクリーニングがあります。

【水洗い】

水溶性の汚れを落とすのに適している。血液や尿など、タンパク質の汚れが対象に含まれます

【ドライクリーニング】

油性の汚れを落とすのに適している有機溶剤を用いる洗濯方法で型崩れしやすいものを洗う

漂白剤の分類

漂白剤には「還元漂白剤」「酸化漂白剤」があります。酸化漂白剤はさらに「酸素系漂白剤」と塩素系漂白剤」に分類されます。それぞれ性質に違いがあることから、アルカリ性に弱い動物性(ケア衣)や、白物・色柄物別に使用できる漂白剤は次のように異なっています。

【還元型漂白剤】

性質:弱アルカリ性

用途:白物用の洗剤。色柄物には使用しない

【酸素系漂白剤】

性質:「液体は弱酸性」「粉状は弱アルカリ性」

用途:白物・色柄物どちらにも使用できる。毛や絹は液体のみ使用可

【塩素系漂白剤】

性質:強アルカリ性

用途: 漂白力が強いため、毛や絹、色柄物には使用しない。白物の綿、麻などに使用する

しみ抜き

しみ抜きには水溶性のしみ、油性のしみ、不溶性のしみなどがあり、それぞれ汚れによりしみ抜きの方法が次のように異なります

【水溶性のしみ】

しみの元:醤油、コーヒー、茶

しみ抜きの方法:しみがついてから早い段階では、通常の洗濯で落とす。時間が経ってからの場合は、水を含ませたブラシなどで叩いて落とす

【油性のしみ】

しみの元:口紅、チョコレート、バター

しみ抜きの方法:ベンジンなどの有機溶剤を含ませた布で叩いた後、洗剤をつけて落とす

【不溶性のしみ】

しみの元:墨汁、泥はね

しみ抜きの方法:墨汁の場合、歯磨き粉をつけてもみ洗う泥はねの場合、乾燥させた後、ブラッシングする

【その他】

しみの元:ガム

しみ抜きの方法:氷で冷やしたあと、爪などで剥がす

家計の管理について

家計の管理は、生活を送るために大切な行為です。特に家計の収入(入ってきたお金)」「支(出て行ったお金)」のバランスを取る事は重要です。総務省統計局「家計調査」(2020 (令和2)年)から、世帯主が65歳以上の高齢単身無職世帯についての収支の状況をみてみましょう。

家計調査における収入と支出とは

【家計調査における収入】

給与や社会保障給付などの合計額を実収入と呼ぶ。実収入から非消費支出を除いた可処分所得と呼ぶ

【家計調査における支出】

非消費支出(税金や社会保険料)消費支出(食料、住居、高熱・水道、被服、保健医療など)で構成される

可処分所得と消費支出の関係

収入は社会保障給付が大部分を占め(89%)支出は食料品が最も多くなっています(27.5%)

1ヵ月の実収入は13万6964円で、そのうち可処分所得は12万5423円となっています。一方、消費支出は13万3146円で、「消費支出が可処分所得を上回っている」状況です。

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