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2022/01/23

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン143「こころとからだのしくみ〜死の捉え方〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲について解説していきます。

今回、解説していく内容は「こころとからだのしくみ」からについて考えていきたいと思います。

目次

・「死」とは

・死の3徴候

・尊厳死

・終末期の呼吸の変化について

・終末期のからだの変化

・「死」を受容する5段階のこころの過程

・家族のこころ

・まとめ、感想

「死」とは

【生物学的な死】

生命維持活動を行ってきた生体のすべての生理機能が停止し、回復不可能な状態になることです。

【法律的な死】

脳の機能がほぼ完全に失われ、回復不可能な状態のことをいいます。1997年(平成9年)、臓器移植に関する法律(臓器移植法)」が施行され、臓器移植の実施に必要な「死」の判断基準を「脳死」とすることが示されました。しかし、これはあくまで臓器移植の際の判断基準であり、脳死を「一般的な死」とすることが法律で定められたわけではありません。

死の3徴候

心肺停止、呼吸停止、瞳孔散大のことをいいます。最も重要な心臓(循環)、肺(呼吸)、脳(中枢)の3大臓器全ての機能が停止したことによって判断します。

尊厳死

人工AIや人工呼吸器などの医療装置で延命するのではなく、人としての尊厳を保ちながら自然に死を迎えること。

事前に本人と家族の意思を確認しておくことが必要である。「どこで」「誰と」「どのように」最期を迎えたいのか。終末期の過ごし方や医療処置(救急蘇生や生命維持装置など)について、本人の意思を事前に書面(遺書)を残すことをリビングウェといいます。

終末期の呼吸の変化について

終末期では酸素や栄養の不足により、呼吸運動が維持できなくなります。死の直前の呼吸変化には、チェーンストークス呼吸、肩呼吸、下顎呼吸、鼻翼呼吸があります。呼吸が浅くなると脳が低酸素栄養状態になり、脳内モルヒネが分泌され、苦痛が和らいできます

※脳内モルヒネとは、エンドルフィンという脳内で産出される神経伝達物質の1種です。モルヒネと同じように鎮痛作用を持つため、脳内モルヒネと呼ばれます。また、エンドルフィンが分泌されると多幸感がもたらされます。

【チェーンストークス呼吸】

10〜30秒ほど呼吸が止まり、浅い呼吸と深く大きな呼吸を繰り返します。

【肩呼吸】

息をするために肩を動かします。

【下顎呼吸】

下顎を魚のようにパクパクと動かします。死が数時間以内の場合に多く見られる

【鼻翼呼吸】

少しでも酸素を取り込もうとし、小鼻を開いて呼吸をします。

終末期のからだの変化

【体温の変化】

血液循環が悪くなり、体温が低下することが多く、特に手指が冷たく感じるようになります。

【脈拍と血圧】

脈拍数・血圧どちらも低下する。同時に、心身機能の低下により、脈拍が弱くなる。橈骨動脈での測定が不可能になるほど、脈拍数・血圧が低下します。

【尿量】

循環機能等の低下が原因で尿量は減少傾向となります。

【意識状態】

意識は低下して、ウトウトした状態が長くなります。この状態は、傾眠・混迷・昏睡という状態で表現されます。呼びかけに反応しないことがあっても、耳は聞こえているとされています。聴力は減退しますが、最後まで残存する能力です。

【チアノーゼ】

酸素が欠乏することで、皮膚や粘膜が暗紫色になる。口唇や爪が目立つ。

【死前喘鳴】

ゼーゼー、ヒューヒューという音を発しながら呼吸します。喀痰を自力で出せない場合に、分泌物が下咽頭に溜まり喉の奥で音をさせるのが原因です。この状態になると、意識は低下しているので、本人には苦痛でないことが多い。

【浮腫】

終末期では、血液循環の低下や体液調整機能の低下により、下肢から浮腫(むくみ)が現れるようになります。

【死後の身体的変化】

死亡すると、体には次のような変化が現れます。

①徐々に体温を失う(1時間に1℃位下がり、周囲の温度に近くなる)

角膜が混濁する。

死斑(死後に血液がからだの下にたまることで生じる、暗紫色の斑点)が生じる。死斑は死後20〜30分ぐらいから始まり、8〜12時間で最大となる。

④筋肉が弾力を失い、硬化して死後硬直が出現します。温度などの環境の影響を受けるが、通常死後2〜4時間で始まり、半日程度で全身に及びます。死後30〜40時間で硬直が解け始めます

⑤水分の蒸発とともにからだが乾燥していきます。皮膚・粘膜・口唇・角膜などから蒸発していきます。

なお死亡とは、医師が死を診断した時点である。死亡が確認されるまで、家族を含め他人がからだに触れる事は違法行為となりますので、医師がいない場所で死亡した場合は、すぐに医療職に連絡する必要があります。

「死」を受容する5段階のこころの過程

キューブラー・ロスは、「死の受容段階」を、5段階に理論化しました。

【第1段階:否認】

死の運命の事実を拒否し否定する段階。

死の宣告のショックに対する自己防衛が働く。

【第2段階:怒り】

否定しきれない事実を宿命だと自覚した段階。

「なぜ私が」という問いかけと怒りが生じる。

【第3段階:取引】

奇跡への願いの気持ちを表す段階。

信仰している神への祈願など。

【第4段階:抑うつ】

気持ちが滅入ってしまう段階。

精神的な落ち込み。

【第5段階:受容】

死を受容し、こころにある平安が訪れる段階。

静かに受け入れられるようになる。

家族のこころ

大切な人を失った家族には、悲観反応が見られます。症状は様々で、不眠、疲労感、食欲減退、悲しみ、怒り、避妊、抑うつ、探索行動、幻覚などがあります。

終末期のケアや遺族に関する内容は、違うページでまとめていますので。下記のページを参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン63「生活支援技術〜終末期ケア〜」≫

まとめ、感想

死が近くなると、バイタルサイン(呼吸、体温、循環、意識状態)は経過し、呼吸と循環機能に変化がみられます。また、人にとって「死」とは未知なる世界であり、死に臨むときの不安や恐怖で残された時間が少ないことへの焦りなど様々な心理的変化が起こります。

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン143「こころとからだのしくみ〜死の捉え方〜」

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