介護保険のサービスの種類を大阪介護学校の講師が解説
介護保険制度の保険給付には「介護給付」「予防給付」「市町村特別給付」の3種類があります。それぞれにどのような人がサービス対象であり、この3種類にはどのようなサービスが含まれるのかを解説していきたいと思います。
保険給付の種別
介護給付
要介護者(要介護1〜5の認定されたもの)を対象としたサービスです。居宅サービス、居宅介護支援、施設サービス、地域密着型サービスなどが含まれます。
予防給付
要支援者(要支援1・2に認定されたもの)を対象としたサービスです。介護予防サービス、介護予防支援、地域密着型介護予防サービスなどが含まれます。
市町村特別給付
要介護状態・要支援状態にある人を対象に市町村が独自に行うサービスです。居宅への配食サービス、移送サービスなど市町村のニーズによって独自に行われています。
その他の保険給付
居宅サービスや施設サービス、地域密着型サービス以外にも介護保険における保険給付があります。その内容は、利用者の支払った費用が自己負担限度額を超えた場合に、所得額に応じて給付が行われるサービスです。具体的には、「高額介護サービス費」「高額医療合算介護サービス費」「特定入所者生活介護サービス費」などがあります。それではどのような内容か次に説明していきます。
【高額介護サービス費・高額介護予防サービス費】
介護サービス費が自己負担限度額を超えた場合に、償還払いによって市町村から差額が支給される制度です。
【高額医療合算介護サービス費・高額医療合算介護予防サービス費】
介護サービス費と医療費の合計が自己負担限度額を超えた場合に、償還払いによって市町村から差額が給付される制度です。ただし医療保険における高額療養費を差し引いても、限度額を超えていることが条件となります。
【特定入所者生活介護サービス費・特定入所者介護予防サービス費】
特定入所者で非課税世帯や生活保護受給者などが、特定介護サービスを受けたときに、食事や居住に要した費用が自己負担限度額を超えた場合に、市町村から差額が給付される制度です。原則として現物給付とされています。
費用の支払いと請求方法
介護保険制度の保険給付に必要とされる費用のうち、利用者が負担するのは所得に応じて全額の1〜3割になります。保険給付が行われたときに利用者やサービス事業者に対しての費用や支払い方法が2種類あります。それは「現物給付」と「償還払い」になります。それについて説明していきます。
現物給付
サービス事業者が、利用者にサービス(現物)を提供します。サービス事業者は利用者に1〜3割、市町村に9〜7割を請求します。介護保険制度の保険給付はほとんどが現物給付で行われています。
償還払い
利用者がサービスに要した費用全額をサービス事業者に支払います。その利用者は市町村に利用者負担を除く全額の9〜7割の費用を請求します。「特定福祉用具販売」「住宅改修」「高額介護サービス費」などが償還払いで行われています。
介護給付と予防給付の概要
介護給付は要介護者を対象としたサービスで、予防給付は要支援者を対象としたサービスになります。「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」などに分類することができます。また、違うページで居宅サービスや施設サービス、地域密着型サービスについて詳しく解説していますので下記のページを参考にしてください。
【居宅サービスの種類と内容について】
【施設サービスの種類と内容について】
【地域密着型サービスについて】
介護給付(要介護)のサービス種別
【居宅サービス】
・訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導
【通所サービス】
・通所介護・通所リハビリテーション
【短期入所サービス】
・短期入所生活介護・短期入所療養介護・特定施設入居者生活介護・福祉用具貸与・特定福祉用具販売
【施設サービス】
・介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院(介護療養型医療施設は廃止に向けて経過措置段階)
※これら上記のサービスは都道府県が指定・監督を行うサービスです。
【その他】
・居宅介護支援
【地域密着型サービス】
・定期巡回随時対応型訪問介護看護・夜間対応型訪問介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護・小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・看護小規模多機能型居宅介護
※これら上記のサービスは市町村が指定・監督を行うサービスです。
予防給付(要支援)のサービス種別
【訪問サービス】
・介護予防訪問入浴介護・介護予防訪問看護・介護予防訪問リハビリテーション・介護予防居宅療養管理指導
【通所サービス】
・介護予防通所リハビリテーション
【短期入所サービス】
・介護予防短期入所生活介護・介護予防短期入所療養介護・介護予防特定施設入居者生活介護・介護予防福祉用具貸与・特定介護予防福祉用具販売
これら上記のサービスは都道府県が指定・監督を行うサービスです。
【その他】
・介護予防支援
【地域密着型介護予防サービス】
・介護予防認知症対応型通所介護・介護予防小規模多機能型居宅介護・介護予防認知症対応型共同生活介護
これら上記のサービスは市町村が指定・監督を行うサービスです、
ここで問題!
【問題】
地域密着型サービスは、都道府県がサービス事業者の指定や指揮監督を行う。
【答え】
答えは「×」です。地域密着型サービスは、市町村がサービス事業者の指定が監督を行います。
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